この本は大阪に行ったときにSNSを見て気になっていた正和堂書店さんで購入したもの。
そこで面で置いてあり帯に『大阪ほんま本大賞受賞』とあって気になり手を取った。
“大阪ほんま本大賞”という賞、私は知らなかったのですがもしかしたら仲間がいるかも知れないので簡単に説明しておこう。
大阪や大阪府民に関係する書籍が受賞大賞で「大阪の問屋と本屋が選ぶ『ほんまに読んで欲しい一冊』」だそうです!
『グランドシャトー』は2023年の受賞作。
この時代を知らないし、この時代の大阪のこともらないけど、きっとこういう真珠さんのような人はいたんだろうなという気がする。
人の痛みがわかる人っていうのは優しいというか強いというか、なんと言えばいいんだろう。
真珠さんの言動は優しさっていうのとはちょっと違うような。
来るもの拒まず去る者追わず、人のことを詮索しないし、余計なことは聞かないから人情ってのもなんとなくしっくりこないけど。
何も聞かずにただ一緒にいて、おいしいご飯を一緒に食べてってできる人がいるのは安心できるし、ありがたい存在だよね。
真珠さんもルーの存在に助けられてた部分はあったのかなと思ったり。
真珠さんとルーで一緒に商店街でお買い物してる姿を想像すると、少し歳の離れた姉妹のようで微笑ましい。
二人が食べてるご飯がおいしそうで読んでてお腹が空いてくる。
グランドシャトーでナンバーワンの真珠さんは、お酒を勧めすぎないし、無理に会話を続けさせようとしないし、どこが素晴らしいというわけでもない普通の女ってルーは言うけどさ。
でしゃばり過ぎず引き過ぎずみたいなこういう丁度いい塩梅って一番難しそう。
それができる真珠さんがナンバーワンなのは当然だよと不思議な納得感。
お店での掴みどころのない大人の良い女の真珠さんと、昼間に商店街でお買い物してる時の無邪気な感じの真珠さんのギャップがかわいくてたまらない。
真珠さんという人間にとてつもなく惹かれてしまう。
だから最後、真珠さんの過去を探るようなことしてほしくなかったなぁ。
物語的にどうってことではなく、個人的に真珠さんの謎は謎のまま終わってほしかった。
真珠さんの過去の全てが明らかになるわけじゃないけど、あくまでも噂レベルというか、中途半端に真珠さんの過去を知りたくなかったな。
感想なんて当然個人的なことなのですが、私は知りたくなかった!
ルーに関してはあえて感想を書かないでおこうと思う。
あまり本を読んで実写化してほしいとか思わないのだけど、昔あった昼ドラってわかるかな?
あの枠とかでドラマやってほしいなとめずらしく思った。
もう昼ドラの枠ないけど。
キャバレーってどんなところなのかと思って調べてみたら、このグランドシャトーって実在するみたいですね。
グランドシャトーではなくグランシャトーっていうビルみたいだけど。
CMがとてもクセになる。
もう営業していないけど“ナイトクラブ香蘭”というキャバレーがあったそう。
ちなみに現存する最古のキャバレーは1937年創業の“ミス大阪”で今でも18歳から60歳くらいまでの方が活躍しているみたい。
ちょっと行ってみたいな。
キャバレーの歴史とかこの時代のこととか調べてから読んだらもっと面白いだろうな。
だから大阪の人が読んだら間違いなく面白いと思う。
これは“大阪ほんま本大賞”を受賞するのも頷けます。
菊壽堂の甘香梅食べてみたいなぁ。
とりあえずこの本に出てくるその時代に流行ってた歌を聴きながら、その時代に思いを馳せて感想を書いてる。
今までジャズって聞いたことないけど、ハマりそう。
買ってよかったと思える本だった。
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