この本を読んだ次の日、高熱を出して怖い思いをした。
夜中に高熱でうなされてる時にふと井村健吾の顔が浮かんできて目が覚めた。
「いないよね?井村健吾」と思って確認のために目を開けたいけど怖くて開けられない。
意を決して目を開けたら、もちろん井村健吾はいないのだけど、今度は怖くて目を閉じられなくなる。
勇気を出して目を閉じるとまぶたの裏に井村健吾の顔が浮かんできて…。
目を開けて、閉じてを1時間くらい繰り返した気がする。
もしかしたら10分くらいかもしれないけど、すごーく長く感じた。
しかも高熱でしんどい。
それくらい『井村健吾の話』が印象に残ってる。
読んだ後も「怖っ」となったけど、あの時からずっと頭の片隅に井村健吾がいるんでしょうね。
これを書いてる今も今日の夢に出てきたらどうしよう、また急に夜中に目が覚めたらどうしようという感じでなんというか気が気じゃない。
オバケは本当に苦手だから見たり聞いたりしないように気をつけてるのだけど、子どもの頃うっかり見ちゃった『トイレの花子さん』で今でも夜中に急に思い出して怖くなる話がある。
寝ているときに斧を持ったオバケが来て、足首を切られて死んじゃうみたいなやつ。
で、この話を聞いた人は斧を持ったオバケに殺される。
でも枕元にバナナを置いておけば殺されずに済む。絵でも可。
子どもたちは枕元にバナナかバナナの絵を置いておいて助かるんだけど、たまたま聞いていて枕元にバナナを置いてなかった担任の先生は亡くなってしまう話。
私もその日はバナナの絵を枕元に置いて寝たよ。
未だに夜中に思い出してバナナないけど大丈夫かしらと心配になるのだけど、急に思い出してしまうやつがひとつ増えてしまった。
井村健吾、怖い。
この話を書いた澤村伊智さんの本は読んだことがないけど、これを読んでくださってる方が想像する3倍くらい私は恐怖心を植え付けられたので、たぶん一生手が出せない気がします。
ちょっとゾワっとするようなホラー系の話が多かった。
イヤミスは好きなのだけどオバケ系はちょっとねぇ…。
でも『井村健吾の話』が怖すぎて正直ほかの話をほとんど覚えていない。
『井村健吾の話』より先に出てくる話で覚えているのは『黒い雲』。
これも怖いなとゾッとしたし、そういうことだったのかと納得もした。
雲を愛するあまり雲を擬人化して自分の妻だと言ってるのかと思った私は馬鹿ですね。
そして森見登美彦氏の『新釈・蜘蛛の糸』ですよ。
『蜘蛛の糸』は読んだことあるはずなのに「あれ、どんな話だったっけ?」となった。
私の記憶はあってるのか不安になって思わず検索して青空文庫で『蜘蛛の糸』を読んだ。
しっかり大どんでん返し。
結局そうなるのね、みたいな切なさもあった。
やっぱり森見さんの文章は好きだな。
超短編なのでサクサク読めるし普段読まない作家さんの作品も読めるし、かなり楽しめた!
コメント